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生肉事件 [1年目]

ポポ:今だから言っちゃうけど、あのね。
パパ:もしかして、肉の話?
ポポ:ソー、なんでわかった?やっぱりちゃんと覚えてたんだ、恥ずかしー。
  こいつ、知らんぷりして、ずるいって、ずーっと思ってたのね!
パパ:そうじゃないよ、僕は現場を見たわけじゃなくて、お母さんに聞かされて
  多分ポポだろうって、その時の様子を想像するとおかしくっておかしくって
  何度も笑わせてもらったから覚えているんだよ。
ポポ:私ね、台所へ行ったら誰もいなかったんだよ。調理台の上にお肉がね、
  包んでなくて、赤いお肉が目に入ってね、ちょっと背伸びしたら、ごっくん、
  目の前にお肉の山でしょう、はじめはちょっと端っこだけって、なめたわけ。
  とってもおいしかったのね。そのあとはもう、何が何だか分からなくなって、
  ベロベロ、気が付いたら、ギリギリ届くところまで食べちゃった。
  ごめんなさい。
パパ:いいんだよ、お母さんも怒ってなかったから。それより、その時の君の
  様子を考えてみただけで笑えた。お母さんも笑っていたよ。
ポポ:ふーん、そうなの?
コタツのそばで
<この事件、我が家では確かにちょっとした事件だったのですが、楽しい思い出になりました。
牛肉400グラムくらいでしょうか、妻は包みを解いた後、どっかへ行っていたのです。
その状況でポポがやってきたわけです。
 たいていは、だし汁を取った後のかつお節をもらいに来るのですが、この日の状況は
ポポにとっては大変な幸運だったわけです。目の前になま肉400グラムです。
だれだって冷静ではいられなくなりますよね。
 むしゃむしゃやってる時の、ポポの歓喜を想像してください・・どうです?
 楽しくなるでしょ?
 断っておきますが、ポポが400グラム全部食べたわけではありません。ポポが食べたのは3分の1ほどだったと妻は言います。残りは? と聞くと、夕食にして食べたということです。
 ちょっと私は妻にびっくりです。>


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